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vol.22 立替金と預り金

一時的にお金を立替えたり預かったりした時に使うのが「立替金と預り金」。それぞれどんな場面で登場するのかをしっかり理解! シチュエーションごとに会計処理をご紹介いたします!
 

二次関数の平行移動 …なんて話は出てきません。
足し算、引き算(あと掛け算、割り算もちょっとだけ)ができれば大丈夫の簿記3級。気軽な気持ちで読んでくれたらうれしいです。朝起きてベッドからまだ出たくない時にでも是非どうぞ!

 

立替金とは

本来は会社やお店が支払うものではないことを、何かしらの理由があって一時的に支払う場面があります。例えば、取引先が負担すべき発送運賃を立替えた場合など。そんな時に使うのが「立替金(たてかえきん)」。

立替えたお金は「後日受け取る権利」があります。立替金は権利ということで資産として扱います。

 

立替金の会計処理

取引先だけでなく、社員や従業員が個人で負担すべき家賃や生命保険料などを一時的に会社が支払って、後日、給料から天引きして精算することがあります。

社員が負担すべきマンションの家賃を立替えた場面の会計処理の流れを考えてみましょう。

 

立替払いをしたとき

社員Aが住むマンションの家賃100,000円を現金にて立替払いした。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
立替金 100,000 現金 100,000

\解説/


立替えたお金は「立替金(たてかえきん)」勘定を使います。後日、受け取る権利(債権)です。資産残高が増加しますのでホームポジションである借方に記入します。

そして手元から現金がなくなります。資産が減少しますので、ホームポジションの逆側である貸方に記入します。

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後日、給料から天引きして立替金を精算するとき

給料日となり、社員Aへの給料300,000円から立替えていた100,000円を差し引き、残額を現金で支払った。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
給料 300,000 前払金 100,000
    現金 200,000

\解説/

給料を支払ったということで費用の増加です。ホームポジションである借方に記入します。
金額については、天引きがあったとしても、給料の額面は変わりませんので、そのまま300,000円です。

立替金を回収するとその債権は消滅します。資産が減少しますので、ホームポジションの逆側である貸方に記入します。

残額を現金で支払ったということで資産が減少します。ホームポジションの逆側である借方に記入します。
残額計算は、300,000 – 100,000 = 200,000 です。

ちなみに、このように給料から何かしら金額を差し引くことを「天引き(てんびき)」といいます。

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預り金とは

取引先や社員、従業員が負担すべきもののためのお金を、会社やお店が一時的に預かる場面があります。そんな時に使うのが「預り金(あずかりきん)」です。

一時的に預かっているものですから、後日、本人に返金するか、その人に変わって支払いするかの義務(債務)が発生します。これは負債です。

 

預り金の会計処理

社員や従業員が負担すべきものを、会社やお店が一時的に預かるシチュエーションとしてよくあるのが「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」です。

会社に勤めている人は、給料を貰うと、それに対して所得税がかかります。他にも健康保険や厚生年金といった社会保険料も発生します。所得税は100%が社員負担、社会保険料は半分が会社、もう半分が社員負担です。

所得税や社会保険料は、給料をもらった後にその金額に応じて計算されて決まります。これら社員が負担すべきものについて、会社が給料を支払う時に、天引きして預かっておき、後で他の社員もまとめて支払いするという制度があります。

このように、社員などが後で支払うべきものを、会社が予め給料から天引きして預かっておくことを「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」といいます。

 

今月の給料明細で「何に、いくら」差し引かれているか確認するべし!

 

会社の立場からすると、一時的にお金を預かることになりますので「預り金」として処理します。

 

給料から天引きして、お金を預かったとき

社員Aへの給料300,000円から、源泉所得税8,500円と、社会保険料42,500円を差し引いて、残額を当座預金から振り込んだ。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
給料 300,000 預り金 51,000
    当座預金 249,000

\解説/

給料を支払ったということで費用の増加です。ホームポジションである借方に記入します。
金額については、天引きがあったとしても、給料の額面は変わりませんので、そのまま300,000円です。

源泉所得税8,500円と、社会保険料42,500円を差し引いていますので、合計の51,000円が預り金です。
これは後日、社員に変わって支払うためのものですので債務です。負債の残高が増加しますので、ホームポジションである貸方に記入します。
計算式: 8,500 + 42,500 = 51,000

そして給料から天引きした合計額を差し引いて、残額を当座預金から振り込みます。資産が減少しますので、ホームポジションの逆側である貸方に記入します。
計算式: 300,000 – 51,000 = 249,000

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後日、預り金を支払ったとき

社員Aから預かっている預り金のうち、社会保険料42,500円を現金で納付(のうふ)した。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
預り金 42,500 現金 42,500

\解説/

税金や保険料など公的機関へのお金の支払いを「納付(のうふ)」といいます。

預かっていたお金を使って社員に変わり支払いを済ませました。預り金に対する義務(債務)は消滅します。負債が減少しますので、ホームポジションの逆側である借方に記入します。

現金で支払ったということで資産が減少します。ホームポジションの逆側である貸方に記入します。

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立替金と預り金についてのお話しはこれでおしまいです。
両方とも、他の人の支払いのための一時的なお金というのがポイントです。

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