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vol.16 電子記録債権と電子記録債務

「手形・売掛・振込み」に代る新しい仕組み!『電子記録債権』について解説します。
2013年2月から始まり、どんどん利用が広がっているようです。これは要チェック!

重心、外心、内分点…みたいな計算はありません。
足し算、引き算(あと掛け算、割り算もちょっとだけ)ができれば大丈夫の簿記3級。気軽な気持ちで読んでくれたらうれしいです。電車乗り換えの待ち時間にでもどうぞ。

 

電子記録債権(でんしきろくさいけん)とは

電子記録債権(でんしきろくさいけん)」とは、「手形・売掛・振込み」に代る新しい仕組みです。「でんさいネット」という機関が管理しています。

「でんさいネット」の説明をまとめると。

手形の作成、振出し(受取り)や、譲渡、取立て、割引、保管管理、支払い、入金まで、全てが電子化されています。

手形を作成するには、チェックライターという機械をつかって印字したり面倒でしたが、その手間がかからくなります。

それに印紙税! 手形を振り出す時には「印紙」という切手のようなものを貼らなくてはいけません。この印紙代が地味にコストなんですね。これが必要なくなります。

そしてペーパレスなので管理が楽チン! 失くしたり、盗まれたりするリスクが減ります。

期日がきたら、自動的に入金されるので、これまで買掛金の支払いなど、銀行やATMへ振込みに行く必要がなくなります。

そして、特徴的なのが「必要な分だけ割引や譲渡ができる」という点です。
約束手形なら、表面に記載された金額の単位でしか割引や譲渡ができません。電子記録債権では、これが分割できるんです。

例えば100,000円の商品を販売して、代金を電子記録債権にすると…
60,000円と40,000円に分割して、60,000円だけを仕入先業者への支払い使おう!ということができるんです。

といったメリットがあるようです。

利用するためには、債務者側も債権者側もでんさいネットに登録が必要です。
既に口座をもつ取引銀行に申し込むことで、審査を経てから利用開始です。
その後はインターネットバンキングを使って各種取引を行います。

 

「商品売買で電子記録債権を使った場合」のイメージはこんな感じです。

 

お客さま側は、商品を購入したら債務の発生情報を登録します。
この債務のことを「電子記録債務(でんしきろくさいむ)」といいます。一方、販売者側に発生する債権のことを「電子記録債権(でんしきろくさいけん)」といいます。

債務の発生情報を登録し、電子債権記録機関(でんさいネット)に記録をお願いすることを「電子記録の請求」といいます。

電子記録の請求を受けた電子債権記録機関は、発生情報を記録します。そして、発生情報を記録したことを相手先の銀行に通知します。

通知を受けた銀行は、債権者に、発生情報が記録されたことを通知します。

その後、期日がきたら自動的に債務者の口座から、債権者の口座にお金が送金されるという流れです。

 

※「でんさいネット」のリンクを貼っておきます。もっと詳しく知りたい方はクリックしてください。https://www.densai.net/

 

 

電子記録債権(でんさい)の会計処理

電子記録債権は、手形の裏書譲渡や、割引などが行えますが、簿記3級では商品売買の決済としての利用についてが範囲のようですので、その流れを紹介します。

会計処理は、約束手形とほぼ同じ。次の勘定科目に置き換えるだけですよ。

・「電子記録債権」・・・受取手形と同じ様に扱う。要素は資産。
・「電子記録債務」・・・支払手形と同じ様に扱う。要素は負債。

 

それではどうするか?見てみましょう。

★ 購入者側

債務が発生した時

商店Aに対する買掛金200,000円の支払いを電子債権記録機関で行うため、取引銀行を通じて債務の発生記録を行った。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
買掛金 200,000 電子記録債務 200,000

\解説/
仕入れた時に発生した買掛金を支払うケースです。

買掛金を支払いますので負債の減少です。ホームポジションの逆側である借方に記入します。
そして電子記録債務の残高が増えます。負債の増加なので、ホームポジションの貸方に記入します。

答えを確認

 

債務が消滅した時

電子記録債権機関に発生記録した債務 200,000円の支払期日が到来し、当座預金口座から引き落とされた。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
電子記録債務 200,000 当座預金 200,000

\解説/


電子記録債務がなくなります。負債の減少です。ホームポジションの逆側である借方に記入します。
そして当座預金の残高が減ります。資産の減少なので、ホームポジションの逆側である貸方に記入します。

答えを確認

 

★ 販売者側

債権が発生した時

商店Bへの売掛金200,000円の支払いが電子債権記録機関で行われるということで、取引銀行より、その通知を受け取った。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
電子記録債権 200,000 売掛金 200,000

\解説/
今度は逆の立場です。販売した時に発生した売掛金を回収するケースです。

売掛金を回収いますので売掛金の残高が減ります。資産の減少です。ホームポジションの逆側である貸方に記入します。
そして電子記録債権の残高が増えます。資産の増加なので、ホームポジションの借方に記入します。

答えを確認

 

債権が消滅した時

電子記録債権機関に発生記録した債権 200,000円の支払期日が到来し、普通預金口座に振り込まれた。


\答え/

借方 金額 貸方 金額
普通預金 200,000 電子記録債権 200,000

\解説/


電子記録債権がなくなります。資産の減少です。ホームポジションの逆側である貸方に記入します。
そして普通預金の残高が増えます。資産の増加なので、ホームポジションである借方に記入します。

答えを確認

 


電子記録債権と電子記録債務についてのお話しはこれでおしまい。
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